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メディアサイトにDMP導入を本気で考えてみた〜(その2)マーケティングのためのDMP

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@butamissa0 です。

 

前回「DMP(データマネジメントプラットフォーム)とは」という記事を書きましたが、ここからが本題です。

 

イノベーター・ジャパンでは幾つかのWebメディア(情報サイト)運用に携わっているのですが、ECサイトではなくいわゆるメディアサイトにDMPを入れることはできるのでしょうか。また導入するメリットはあるのでしょうか。

 

1、広告配信最適化のためにDMPを導入する
2、CRM(メディア特化型)としてDMPを導入する

 

の2点について、考えたことをまとめました。

 

1、広告配信最適化のためにDMPを導入する

DMPを導入し、目に見える形で早く成果を上げるためにはこの方法でしょうか。パブリックDMPを導入することで実現できます。広告配信最適化にあたり、SSP側とDSP側それぞれでDMPの使い方は異なるので、どのようにすべきか考察してみました。

 

ケース1:SSPとしてアドネットワークに広告枠を提供するケース

目的:余剰在庫の広告枠価値を最大化=CPMの単価増

メディアサイトであれば、広告枠の余剰在庫があると思います。

この余剰在庫の価値を最大化するために

  • アドネットワークにSSPとして登録
  • RTBの仕組みで広告枠の価値を高める

がこれまでのアドエクスチェンジの仕組みでした。

 

そこにDMPを使った場合、新たに

  • メディア独自のセグメントを構築し、より配信精度を高める

ことができるようになります。

 

例えば「ビジネス」「マーケティング」といったメディアの強みであるセグメントと「決済権をもつ」という属性データを付与した情報をアドネットワークに提供することができれば、CPM単価を高めることができるようになるでしょう。

 

ケース2:DSPとしてアドネットワークに広告を出稿するケース

目的:タイアップコンテンツ、集客コンテンツの効果増

広告枠以外でメディアがマネタイズするには、タイアップコンテンツやイベントの集客があります。これらのコンテンツの成果(PVや集客数)を上げることは、広告出稿主の満足度を高め、受注のリピートを促進できるようになります。 

 

コンテンツの成果を高めるには、

  1. メディア全体PVの底上げ
  2. 外部メディアで取り上げられる
  3. 該当コンテンツへの直接流入を増やす

が主な対策になります。

 

このうちコンテンツの成果として直接コントロールできるのは、3の「該当コンテンツへの流入を増やす」ことです。例えばアドネットワークに広告を出稿したり、Yahooでいえばディストリビューション広告を出稿することがあげられます。この時に、広告を出稿するメディア選定やターゲットのセグメントづくりをDMPが担えます。

 

DMPはCookie情報を元にオーディエンスデータが作成できるので、作られたデータをDSPと連携させることで、精度の高い新規ユーザーの流入を促す広告の出稿が実現します。

 

2、CRM(メディア特化型)としてDMPを導入する

一方、自社で保有している「顧客属性」「サイトの行動ログデータ」「サイトのコンテンツデータ」を使うと、 1 to 1 マーケティングがプライペートDMPによって実現できます。

ケース1:顧客属性・サイトの行動履歴から最適なコンテンツレコメンド 

目的:サイトの回遊性増、商品のアップセル

CRMのプラットフォームとしてDMPを使った場合に、顧客の登録情報・購入履歴・アンケート結果・メルマガのクリックなど、アクションした行動をDMPに蓄積することができます。また、それらアクションをしたユーザーに多く読まれている記事を特定することも可能です。

 

例えばアンケートAに回答したユーザーの多くが記事aを読んでいることが分かれば、記事aを読んでいてアンケートAを回答していないユーザーに対して、アンケートAのレコメンドを出すことができます。

 

タイアップコンテンツへの誘導や会員登録(ログイン)も、データ分析によってレコメンドが可能です。 

 

ケース2:顧客属性・サイトの行動履歴・サイトのログデータから最適なコンテンツを作成

目的:1コンテンツあたりの平均PVの改善

メディアのコンテンツを作る上で重要なのは、その記事はユーザーが求めている情報か、ということです。どんなによいコンテンツであっても、メディアがターゲットとしているユーザーに見ていただかないと、その記事の価値は十分に発揮されません。

 

ではメディアの狙っているターゲットに響く価値ある記事はどうすれば作ることができるのでしょうか。DMPを使ってオーディエンスデータ・ユーザーのサイト内行動履歴・サイトのログを掛けあわせると、価値ある記事の切り口が見つけられそうです。

 

顧客属性・行動履歴から

  • 興味関心の高いトピック
  • サイト訪問の多い時間帯
  • クリックの多いエリア
  • 離脱が多いポイント

PVが伸びた

  • タイトルの傾向
  • 記事の切り口
  • 結起承転の文章構成
  • 特集や連載

などなど

多くのデータがDMPに集約されているので、データを分析することでPVが伸びるかソーシャル上でシェアされるかあらかじめ予想することができ、予想に対する結果の精度も高まります。

 

【おまけ】MA(マーケティング・オートメーション)やメール施策など、マーケティングのためのDMP

DMPの導入と併せて必ず検討しておきたいことは、取得したデータや生成したセグメントをどのようにマーケティングに活用するか、です。

 

そもそもDMPは、ビッグデータが保存されているプラットフォームです。この保存されたデータは、アドネットワーク・メール配信・BIツール・MAツールなどを使って、マーケティング施策に落としこむことで初めて効果が現れます。DMPを導入してデータを蓄積するだけでは意味が無いのです。

 


 

DMPを導入するには、あらかじめ取得するデータとマーケティングで使うであろうセグメントを想定し、データ設計をすることが欠かせません。またDMPにあるデータを分析するためのスキルも必要です。

 

マーケターだけではなく、エンジニアやアナリストと一緒に進めないと上手くいかない...というのがDMPの導入にあたって出た答えです。

 

ただマーケティング上の課題があり、その課題解決のためにDMPを検討し始めると、たしかに施策の選択肢は増えます。また導入するサービスごとに「こんなこともできるんじゃないのか?」とカスタマイズの想像が膨らみます。

 

メディアサイトにDMPを導入することは、必ずメリットがあります。ただ、DMPを導入し運用するにはそれなりのコストがかかること、データをどのような形で取得しDMPに保存するのか、導入してから成果が出るまでに3ヶ月〜半年程度の時間が必要なことをおさえておかなければなりませんね。